湧出量全国2位!別府の奥座敷、湯布院温泉の歴史と歩みとは
おんせん県と名高い九州の大分県にあり、全国で第2位の湧出量を誇る「湯布院(ゆふいん)温泉」。「湯布院?それとも由布院?」といった名称の疑問も含め、湯布院温泉の歴史と歩みをご紹介します。
目次
湯布院温泉のはじまり
湯布院温泉とは
湯布院温泉は大分県の中央部に位置する人気温泉地です。標高1,584mの由布岳をはじめとする豊かな自然、伝統とモダンが絶妙に混ざり合った街並みが特長です。もともとは小さな宿が十数件建ち並ぶひっそりとした温泉街でしたが、平成になってから観光地として注目されるようになりました。
別府十湯のひとつに数えられていた
元々、湯布院温泉は別府十湯のひとつに数えられていました。しかし、大正時代に行われた区画整理で塚原温泉と湯布院温泉が外され、別府八湯(べっぷはっとう)となりました。その後は別府の奥座敷として、湯布院温泉は栄えててきました。
湯布院温泉と由布院温泉の違いは?
由布院町が1955年に湯平村と合併することになり、湯布院町と表記されるようになりました。その後、2005年の合併で由布市が誕生すると、温泉街付近の住所は由布市湯布院町となりました。
駅の名前は由布院ですが、ガイドブックなどでは湯布院温泉、由布院温泉の両方が使われていて、どちらも正解のようです。
◇由布院の由来は?
由布院の由来は木綿(ゆふ)から来ているとされています。かつてこの地方には楮(こうぞ)や栲(たく)の木が生えていて、これらの木の皮から木綿(ゆふ)を作っていたそうです。由布岳のことを万葉集では木綿山と詠んでいる記録もあります。
その後、律令制の時代に正倉院のような倉庫があったことから「院」が付いて、やがて由布院の地名になったとされています。
湯布院温泉の歩み
油屋熊八が温泉保養地にしたことが始まり
大正時代に油屋熊八(あぶらやくまはち)が別府の奥座敷として別荘を建てたことから由布院温泉の知名度が高まりはじめました。この別荘が現在の老舗旅館「亀の井別荘」です。
油屋熊八は別府温泉を全国的に有名にした大功労者として、JR別府駅の東口に銅像が立てられています。
1955年、由布院から湯布院へと地名が変わる
1955年に由布院町と湯平村の合併があり地名が湯布院町に変わりました。その年に初の町長選挙が行われ、青年団長だった岩男頴一(いわお ひでかず)が当選。当時出ていた、由布院温泉周辺地域のダム計画を白紙に戻し、ダム開発に頼らない保養温泉地構想を打ち出しました。
湯布院町の湯布院温泉から由布市の湯布院温泉郷へ
国民保養温泉地によると、湯布院温泉は湯布院町の由布院と湯平の2つの温泉地からなっていました。その後2005年に湯布院町と庄内町と挾間町が合併し由布市になり、国民保養温泉地の定義が見直されることになりました。2019年には由布院温泉、湯平温泉、塚原温泉、庄内温泉、挾間温泉を湯布院温泉郷として記載する計画書が提出・受理され、湯布院温泉郷が誕生しました。
湯布院温泉には歴史スポットが豊富!おすすめスポット3選
1. 湯布院にまつわる古い伝説のある神社「宇奈岐日女神社」
「宇奈岐日女神社(うなぐひめじんじゃ)」は木綿神社や六所宮(ろくしょぐう)とも呼ばれ、湯布院盆地を作ったとされる宇奈岐日女が祀(まつ)られています。
縁結びに御利益があるといわれている由布市の観光名所です。
<施設詳細>
宇奈岐日女神社
住所:由布市湯布院町川上六所2220
電話番号:0977-84-3200
営業時間:終日開放
2. 金鱗湖のほとりにひっそりと佇む「天祖神社」
湯布院のシンボルのひとつでもある金鱗湖(きんりんこ)のほとりにひっそりと佇むのが「天祖(てんそ)神社」です。湖の中に鳥居があり、境内の杉の御神木は市の天然記念物に指定されています。
<施設詳細>
天祖神社
住所:大分県由布市湯布院町川上156-1
電話番号:0977-84-3111
営業時間:終日開放
3. 湯布院温泉を代表とする老舗旅館「亀の井別荘」
提供:亀の井別荘
湯布院御三家のひとつで、大正時代から湯布院の歴史と共に歩んできた老舗旅館。約1万坪の敷地内に客室は離れに14と洋室が6つの全20室。客室にて源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。
提供:亀の井別荘
<施設詳細>
亀の井別荘
住所:大分県由布市湯布院町川上2633-1
電話番号:0977-84-3166
営業時間:チェックイン 15:00~20:00 / チェックアウト 11:00