加温加水なしは必須条件?本物の源泉かけ流し温泉に浸かりたい!


提供:神戸観光局
更新日:2021年6月8日

この記事を書いた人

ともきち

温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。

温泉地や宿の紹介などで「源泉かけ流し」や「源泉100%かけ流し」という言葉を見る事が多いのではないでしょうか。今回は、温泉の魅力を表す「源泉かけ流し」とは何かに注目しながら、「加温」「加水」など温泉の管理方法についてご紹介します。

温泉と一口に言ってもその管理方法はさまざま

温泉の管理方法は、さまざまです。温泉の効能成分をそのまま堪能できる「源泉100%かけ流し」の他に、源泉の温度が低い場合に温度をあげる「加温」、逆に熱い源泉の温度を下げるために水を加えている「加水」、そして、湯船にはったお湯を循環させながらろ過用のフィルターに通し続ける「循環ろ過式」などがあります。


加温・加水・循環は偽物の温泉?本物の温泉とは

色々な温泉の管理方法がある中で、本物の温泉とは何かについて探っていきます。

本物の温泉「源泉かけ流し」の定義とは

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本物の温泉が何かと言うならば、温泉の効能を十分に堪能できる「源泉かけ流し」のことでしょう。

ただ、「源泉かけ流し」の定義は、温泉の保護などを定めた「温泉法」には記載されていないため明確ではありません。一般的には、「源泉かけ流し」の定義は、常に浴槽に新しい温泉を注入して溢れさせ、そのお湯は再利用しない、かけ流しの状態であることです。

「日本源泉かけ流し温泉協会」では、源泉かけ流しの加温・加水について「入浴に適した温度にするため、泉質を損なわない範囲での最低限の加温・加水は認める。」としています。

一方、「源泉100%かけ流し」は、加温・加水共に行わない温泉のことを言います。

源泉かけ流し以外は偽物の温泉なのか?

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「源泉かけ流し」でないお風呂は偽物の温泉なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

利用者への配慮として、源泉かけ流しにも加水・循環が用いられることも

源泉かけ流しの定義を超える加水や循環ろ過をしてはいけないのかというと、そうとは言えません。

利用者への配慮として、顧客のニーズに応じて施設を充実させるため、源泉のお湯を十分に取り込んだ上で加水しながら循環したり、浴槽内に溜まった汚れを循環ろ過して清潔な環境を保つ工夫をしたりしている温泉もあります。

偽物の温泉とは

偽物の温泉とは、まったく温泉が入っていない水道水や井戸水、山水を加温し循環しているものを温泉と言っているものです。

また、温泉の保護などを定めた「温泉法」によると温泉が少し混じれば井戸水や山水も温泉と認められるのを利用して、源泉の泉質とはまったく違うお湯を温泉と言っている場合もあります。

温泉成分の分析書の掲示が義務付けれていますので、気になる場合はその成分数値などを確認すると安心です。


源泉かけ流し温泉と循環温泉の見分け方は?

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「源泉かけ流し」にこだわる方のために、「循環温泉」との見分け方のポイントをご紹介します。ただし、絶対とは言い切れないので参考程度に留めてください。どうしても確認したい場合は、宿や施設の方に尋ねてみてください。

1. 湯口のお湯と浴槽との温度差が大きいか?

「源泉かけ流し温泉」の場合、湯口は少なくとも45度以上あり、その後、浴槽にたまると冷めて温度が低くなります。つまり、浴槽の湯温と湯口の湯温の差が大きいのが「かけ流し」の証です。

一方、「循環温泉」は湯口も浴用も同じ42度程度の適温になっています。ただし、湯口で既に加温されている源泉掛け流しの場合はこれにあてはまりません。

2. 湯口に温泉成分が付着し、石化している

湯口から出ている温泉が源泉そのままの「源泉かけ流し」の場合は、温泉成分が濃いため、温泉成分が付着して石化するので一つの目安になります。

ただし、循環温泉の場合も成分が一部付着する場合もあります。

3. 循環器のシステムがあるかどうか

浴槽内にお湯が噴き出す場所や、お湯を吸う場所があれば循環温泉のことが多いです。

ただし、お湯が浴槽の下から湧く「かけ流し」もあります。また、浴槽の下から排湯する仕組みのかけ流しの場合は吸い口があります。