湯治とは?その歴史、効用、適性期間や正しいやり方を詳しく解説
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
湯治という言葉を聞いたことはあるものの、その内容を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか?そこで今回は湯治の歴史、もたらす効用や正しいやり方などをご紹介します。
目次
湯治とは?
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湯治とは
「湯治」とは「とうじ」と読み、広辞苑によると「温泉に浴して病気を治療すること」とされています。
具体的には、「湯治」とは温泉宿に1週間以上滞在し、温泉に浸かるまたは飲泉するなどして湯の中にある有効な成分を体に取り入れることで、体調を整え病気の治療や療養を行うことをいいます。
古くから日本にある医学的に認められた医療法の一つで、疲労回復や観光を目的とした一般的な温泉入浴とは異なります。そのため、湯治を行う場合は訪れる温泉地や入浴法などを事前に医師や専門家に相談する必要があります。
湯治の歴史
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奈良時代にはすでに湯治の習慣があったとされていますが、当初は権力者など一部の人に限られているものでした。その後、江戸時代になると街道が整備されたことで移動が楽にできるようになり、一般庶民にも広まり始めたとされています。明治時代、西洋医学が導入される前頃まで、病への対処法として広く用いられていました。
少し前まで湯治というと、農家作業を終えた人々が長期に渡って療養する方法の一つでしたが、最近は体の不調を治すというよりは、精神的な安定やリラックスを目的に滞在する方が多くなっています。
湯治の主な効用は?
湯治の目的には、温泉に浸かることで、人間が本来持っている自然治癒力を高め不調を改善させるという側面があります。アトピー性皮膚炎や肩・腰痛、がんなどにも改善があったとする記録もあるようですが、効果については諸説あり泉質によっても異なります。逆に症状が悪化してしまうこともあるので自分の判断のみで行わず、医師や専門家に相談しましょう。
湯治にはどれくらいの期間が必要?
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湯治は1週間の滞在が基本で、それを「一廻り」と呼び、「三廻り」、つまり3週間 (21日間)の滞在が、一番体調を正常に戻すのに良いとされています。しかし最近では、病気やケガの本格的な治療を目的とした「湯治」に対して、「未病」の人たちの免疫機能を整えるために週末などの2・3日で利用できる短期滞在型の「プチ湯治」が注目されています。「プチ湯治」は、日々のストレス解消や疲労回復、生活習慣病の改善などにも利用されています。