含鉄泉の温泉は貧血症に最適?!その効能とおすすめ温泉地2選
日本には2万以上の源泉が存在します。その源泉を環境省自然環境局が10種類に分類しており、それぞれ効用や適応症が異なります。この記事では、10種類の泉質の中の一つ「含鉄泉(がんてつせん)」についてご紹介します。効用や効能をご紹介するとともに、含鉄泉に入れる温泉地をご紹介します。
目次
温泉で貧血改善?含鉄泉との関係
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含鉄泉の定義
含鉄泉は、お湯1kgあたりに鉄(Ⅱ)イオン、鉄(Ⅲ)イオンを合計で20mg以上含んでいるものを指します。
別名鉄泉と呼ばれるほど鉄分を感じられる温泉です。
含鉄泉の適応症(効能)
含鉄泉は、鉄分を多く含んでいることから人の体内で血を作る働きを促してくれるため、鉄欠乏性貧血の改善が期待できます。
参考:温泉療養のイ・ロ・ハ
含鉄泉の特徴
お湯に鉄分を多く含むため、一般の鉄と同じようにお湯が空気に触れると酸化して、黄色から赤褐色のお湯に変化します。
鉄がさびた時のような臭いを発しているのも特徴です。
含鉄泉の効能は入浴と飲泉で違う?!貧血改善が期待できるのはどっち?
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鉄分が多く含まれている含鉄泉ですが、入浴と飲泉では効能に違いがあります。
その点を詳しく見てみましょう。
貧血改善には飲用がおすすめ
鉄分は、体内に吸収されにくい性質があり、効率よく吸収するには、小腸まで鉄分を運ぶ必要があります。
そのため、貧血の改善を求めて含鉄泉を活用するのであれば、飲用がおすすめです。
ただし、すべての含鉄泉の湯が飲めるわけではありません。必ず飲用可能な湯か確認しましょう。
参考:ココロエ知識箱|温泉の泉質♪含鉄泉の効能は?貧血症は入浴では改善できない?
入浴での効能も豊富
含鉄泉は保温効果が高いことで知られており、体の芯から温まることができます。
体の芯から温まることで冷えが改善し、リウマチ症疾患、更年期障害、子宮発育不全、慢性湿疹、苔癬(たいせん)の改善が期待できるとされています。
また、入浴することで造血作用が促され、貧血、月経障害などの症状改善にも効用が期待できるとされています。
気をつけたい含鉄泉の禁忌症
禁忌症とは、温泉に入浴したり、飲用し体内に取り入れたりした場合に体に有害な影響を及ぼす可能性がある病気などのことです。
含鉄泉の禁忌症として、特に指定されているものはありません。
しかし、温泉自体の禁忌症である、一般的禁忌症に含まれる症状や疾患をお持ちの方は注意が必要です。
一般的禁忌症は以下の通りとされています。
発熱、急性疾患、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性の疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(とくに初期と末期)
疾患をお持ちの方や妊娠中の方は、温泉に入る前にかかりつけの医師に相談のうえ入浴することをおすすめします。
含鉄泉の3つの効用とは
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含鉄泉の効能についてみてきたところで、次は効用についてみていきましょう。
1. 血行促進で痛み物質や老廃物を流す
効用の一つに血行促進効果があります。
一般的に温泉に入ると血行が促進されますが、含鉄泉は一層効率良く体を温める作用があるとされています。
血行が促進されることで、痛み物質や老廃物が流れやすくなります。
その結果、神経痛・筋肉痛・腰痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・くじき・肩こりなどの改善が期待できるのです。
2. リンパの流れがよくなり免疫力アップ
リンパ液は全身の病原体を集める働きをしています。
リンパ液は、血液のように心臓のポンプ機能ではなく、筋肉が動くことによって全身を循環しています。
そのため、体温が低く筋肉が硬直すると、リンパ液が綺麗に循環せず悪循環がおきてしまいます。
しかし、含鉄泉に浸かることで、体が温められ筋肉が緩むことで、リンパ液の流れがよくなります。
リンパ液の流れがよくなることで、結果的に免疫力アップへと繋がるのです。
参考:体液とその役割
3. 女性の悩みにもおすすめ
含鉄泉は、身体の芯から温めてくれるため、冷え症によって起こる生理不順や、婦人科系の病気に悩む女性にもおすすめです。
また、肌の新陳代謝も高まるため、体の中と外、両方から女性を綺麗にしてくれると言われています。