神話にも登場 日本一の湧出量を誇る別府温泉のはじまりとあゆみ


別府温泉で古くから人々に親しまれた歴史あるスポット3選

別府温泉の歴史を紐解いてきましたが、ここでは、別府温泉の歴史が刻まれていく中で、多くの人々が訪れた場所や別府の発展に貢献してきた歴史あるスポットをご紹介します。

別府温泉を訪れた際は、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

別府を訪れた多くの人が立ち寄った「西法寺」

竹瓦(たけがわら)温泉の側にある「西法寺(さいほうじ)」は、慶長16年(1611年)に京都の本山から本尊阿弥陀如来(ほんぞんあみだにょらい)の木仏(きぶつ)と寺号を受けた浄土真宗の寺院です。

鉄道が通る明治44年頃まで、御旅所(おたびしょ)として、交通の要所となっていました。

御旅所とは、巡行の途中で休憩または宿泊する場所のこと。

別府温泉を訪れた人々が休憩や宿泊地として利用されていたようです。そこには松尾芭蕉も訪れたとされています。

寺院の一角には、寺の雰囲気にちなんだ松尾芭蕉の句碑が建てられています。

お寺の裏にある階段を登り切ると高台からの湯けむりの眺めを一望することができます。

<施設情報>
・住所:大分県別府市中央町9-32
・電話番号:0977-22-0437

江戸時代より約300年続く「湯の花小屋」

江戸時代より約300年続く天然の化学工場「湯の花小屋(ゆのはなごや)」。

製造が開始された当時と変わらぬ姿のわら葺屋根の建物が約50棟ほど並んでいます。

湯の花小屋がある明礬(みょうばん)地域は、明治44年に駅が開業したことにより、湯治場として発展して行ったとされています。

その後、戦後には皮膚病に効くという湯の花の評判と相まっては黄金期を迎えることになりました。

伝統が受け継がれる湯の花小屋では、いまもなお入浴剤として使用される「湯の花」や「明礬」が作られています。

小屋の中に青粘土を敷き詰め、粘土から析出し結晶化した湯の花や明礬を収穫します。

この手法は1664年(寛文4年)頃からはじまった製造方法の一つです。

今となっては入浴剤として使用されていますが、昔は薬として飲用・塗布されたりしていたようです。

1968年には別府市指定の無形文化財に指定、2006年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。

<施設情報>
・住所:大分県別府市元町 16-23
・電話番号:0977-23-1585
・営業時間:6:30~22:30

別府の発展と航海の安全を祈念鎮座した「波止場神社」

別府の発展と航海の安全を祈念して1870年に建てられた神社「波止場神社(はとばじんじゃ)」。

繁華街から離れてひっそりと佇む神社です。

別名「出世(しゅっせ)神社」とも呼ばれています。

波止場神社が建てられた翌年には、別府港が開港。今もなお繁栄を見守り続けています。

<施設情報>
・住所:大分県別府市元町16-14
・電話番号:0977-21-1111

神話にも登場する「別府温泉」の魅力と歴史を知る旅へ出かけよう

別府温泉は、いまだ謎の多い温泉地ですが、「地獄めぐり」や「湯の花小屋」など、別府でしか味わえない魅力がたくさんあります。

ぜひ別府温泉を訪れた際は、歴史を感じながら観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。