銭湯で牛乳を飲むのが定番になったのはなぜ?|浴場の小ネタ(75)


出典:photoAC(風呂上がりの一杯の牛乳は、この上ない幸せ)
更新日:2025年7月28日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉が好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

銭湯と聞いて人々が頭に思い浮かべるものには様々なものがあります。特徴的な煙突やタイルの床、風情のある暖簾や、富士山の壁絵なんていうのも定番ですよね。そしてもうひとつ、「牛乳」も欠かせないものではないでしょうか。

風呂上がりの乾いた喉にひんやりとした牛乳はベストマッチで、栄養も高いので体にも良い。良いことづくしの定番です。牛乳にはバリエーションがあり、子供の頃にはコーヒー牛乳やフルーツ牛乳が楽しみだったという人もいるのではないでしょうか。

さて、この「銭湯と牛乳」の組み合わせ、実はその発祥については比較的はっきりとしています。どういった経緯で定番になったかご存じですか?

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出典:photoAC(新鮮な牛乳が飲めるのも銭湯の特権だった)

正解は、「 ② 牛乳メーカーの宣伝 」でした。

牛乳が銭湯に置かれるようになったのは、昭和30年頃からだと言われています。ちょうどその頃は現在と同じスタイルの銭湯が爆発的に普及した時期でもあり、その一方でテレビなどは普及しておらず、宣伝媒体としては未成熟でした。

そこで牛乳を売り込みたいメーカーが考えたのが、多くの人が利用する銭湯に牛乳を置いてみんなに親しんでもらおうという戦略。当時、まだ家庭用の冷蔵庫は少なく、牛乳のように冷蔵が必要なものは長く保管しておけませんでした。ですが銭湯ならば、大きな冷蔵庫でしっかり冷えたおいしい牛乳が飲める。そんな需要と供給が上手く組み合わさって、銭湯の定番となっていったそうですよ。