温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿#23 天草下田温泉-石山離宮 五足のくつ-
目次
異国情緒が漂うリゾートを思わせるお宿
提供:石山離宮 五足のくつ
◇編集部:つぎにお宿についてお伺いします。
まず、お宿の名称の「石山離宮 五足のくつ」とは、どのような意味合いがあるのでしょうか。
◆山崎さん:明治時代に天草の南蛮文化について、文壇に影響を与えたと言われる、与謝野鉄幹(よさのてっかん)や北原白秋(きたはらはくしゅう)をはじめとする5人が、九州や天草を旅した紀行文「五足の靴」に因んでいます。
ちょうど20年前、九州の西の果てとも言える、遠い異国のような天草の地に存在することに価値を持つ宿を造りたいと考えて、五足のくつを造りました。
立地には特にこだわって、人工物が視界に入らない場所を探し、この場所に建設いたしました。
雲仙天草国立公園内の東シナ海を望む山の上、1万坪を超える敷地に全室離れとなった造りになっています。
提供:石山離宮 五足のくつ(専用のレセプション)
◆山崎さん:敷地内には、昔の天草ををイメージしたヴィラAゾーン、未来の天草をイメージしたヴィラBゾーン、キリスト教が伝来した16世紀の天草をイメージしたヴィラCゾーンなど、テーマの異なる3タイプゾーンがあります。
客室は、趣が異なる全15室の客室をご用意しています。
ヴィラA・Bのお部屋は、漆喰(しっくい)の塗壁と引き戸の窓など、風通しが良い、昔の日本家屋を意識した造りを基本としています。
提供:石山離宮 五足のくつ
提供:石山離宮 五足のくつ(ヴィラCゾーンの客室の一例)
提供:石山離宮 五足のくつ(ヴィラCゾーンの専用オープンテラス)
◆山崎さん:お客様のプライバシーを重視する点にもこだわり、ヴィラAとB、ヴィラCのエリアはそれぞれのテーマに合わせた意匠の、レセプションやライブラリー、個室のレストランなどがあります。
提供:石山離宮 五足のくつ(ヴィラA、Bゾーン専用の個室レストラン”邪宗門”)
提供:石山離宮 五足のくつ(ヴィラA・Bのメイン棟「ヴィラ コレジオ」にあるライブラリー)
◇編集部:それぞれにガラッと雰囲気が変わり、いくつもの宿があるようですね。
◆山崎さん:連泊でご滞在されるお客様が多いのですが、日によって異なるタイプに移るお客様も多くいらっしゃいます。
全てのお部屋が満室となっても、他のお客様と会うことはほとんどないので、あるがままの自然と異国情緒を感じていただけます。
夜空を眺めて、星や月などを楽しむためのご案内もしています。
◇編集部:潮風や森の香りなど、五感に自然を感じながら過ごせる…心が穏やかになれそうで、すごくいいですね。
プライベート露天風呂で源泉掛け流しで満喫する天然温泉
提供:石山離宮 五足のくつ(露天風呂の一例)
◇編集部:次に温泉について、お伺いします。
◆山崎さん:天草は、昔から水不足に悩まされてきた地域と言われています。
しかし、この天草下田温泉周辺は、周りの山から何本もの清流が東シナ海に流れ込む、豊かな水資源に恵まれた特別な地域となっています。
また、天草下田温泉の周りの山には、品質・埋蔵量ともに日本一といわれる天草陶石(あまくさとうせき)の層があります。
そこに清流が浸透して温められ、毎分2,000Lもの豊富な天然温泉が湧出する、極めてめずらしい温泉なのです。
提供:石山離宮 五足のくつ
◇編集部:陶石に浸透して温められる温泉は初めて聞きました!そのようにして湧出する温泉があるのですね。驚きました。
◆山﨑さん:クレンジング効果がある優しい肌触りの湯で、しっかりと温まって冷めにくいという特長があります。
お客様それぞれの楽しみ方や空間、時間の使い方にこだわる当館では、大浴場を設けておりません。
全客室にプライベートな露天風呂を備えておりますので、24時間いつでも源泉掛け流しの天然温泉を心ゆくまでお楽しみいただけます。
提供:石山離宮 五足のくつ(露天風呂の一例)
◇編集部:温泉に浸かりながら、天草の空気や自然を満喫して…1秒1秒が特別で、忘れられない時間を過ごせそうですね。
旬の地産地消の食材を堪能するお料理
提供:石山離宮 五足のくつ(ヴィラCゾーン専用の個室レストラン”天正”)
◇編集部:次にお料理について、こだわりをお伺いできますでしょうか。
◆山崎さん:お食事は、ヴィラA・Bゾーンにひとつ、Cゾーンにひとつの、計2つの個室レストランで、美しい景色を眺めながら召し上がっていただきます。
天草の海でとれる豊かな天然の魚介類を中心とした食材を、五足のくつならではの料理として、ご提供することにこだわっています。
提供:石山離宮 五足のくつ(とれたての新鮮な食材ならではの”生たこのお造り”)
提供:石山離宮 五足のくつ(南蛮文化を凝縮した高級魚”アコウのオランダ煮”)
提供:石山離宮 五足のくつ(カワハギの薄造り)
◇編集部:新鮮だからこその味わいが堪能できるのですね。
お写真を見るだけでも、ぷりぷり感や肉厚感がわかり、新鮮さがわかりますね。
◆山崎さん:また、あまり流通することのないブランド牛の「天草黒牛」や、日本最大級の地鶏「天草大王」といった食材を、五足のくつ流に調理したお料理も人気があります。
提供:石山離宮 五足のくつ(天草黒牛の朴葉焼き)
提供:石山離宮 五足のくつ(天草大王の石焼蒸し鍋)
提供:石山離宮 五足のくつ(天草大王の蓮の葉蒸し)
◇編集部:天草大王は幻の地鶏としても称されていますよね。天草黒牛は食べたことがないので、ぜひ味わってみたいです。
◆山崎さん:お料理とペアリングするお酒もいろいろと取り揃えています。
中でも、この地ならではの地酒として、倉岳という地域で町おこしのために植えられた「シモン芋」で作られた、芋焼酎が人気です。
◇編集部:綺麗な景色を目の前にして食べる食事は、極上な気分にさせてくれること間違い無いでしょうね。