昭和の大スター石原裕次郎が傷を癒した下部温泉の宿はどこ?滞在した部屋に宿泊も!
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
山梨県の「下部(しもべ)温泉」は、昭和の大スター石原裕次郎さんが長期滞在した温泉地であることをご存じでしょうか?今回は、石原裕次郎さんが数ある温泉地から滞在地に選んだという、下部温泉郷の魅力に迫ります。石原裕次郎さんが実際に宿泊した宿の情報もご紹介します。
目次
石原裕次郎さんはなぜ下部温泉へ?
出典:PIXTA
昭和36年(1961年)、石原裕次郎さんは志賀高原(しがこうげん)でスキーをした際に、事故に遭い右足首を粉砕骨折してしまいました。
医師は、裕次郎さんに切開手術を勧めましたが、裕次郎さんはそれを断り、温泉療法の道を選んだそうです。
そして、全国の温泉地の中から裕次郎さん自身が山梨県の「下部温泉」を選びました。
その後、裕次郎さんは下部温泉に約1ヶ月半滞在し、まき子夫人の看護を受けつつ温泉療養と歩行訓練を続けた結果、怪我は、驚くほどの速さで見事に回復へ向かったといわれています。
石原裕次郎さんが癒された下部温泉とは?
出典:PIXTA
日本の名湯百選に選ばれている「下部温泉」は、平安時代初期の836年に温泉が湧き出たとされる歴史ある温泉です。
武田信玄公の父・信虎の時代から武田家の公認湯(武田信玄からの公認状が現存する)で、川中島の合戦で傷を負った信玄公や兵たちが湯治し傷を癒したと伝えられ、また、徳川家康も湯治に出向いたともいわれています。
石原裕次郎さんが温泉療養地に選んだのは、武田信玄や徳川家康にあやかりたいという理由があったのかもしれません。
下部温泉共同泉としては、湯温が25から30度である旧源泉と、50度の新源泉の2つの源泉があります。
泉質はどちらも、単純(鉱泉)温泉で、慢性関節リュウマチ・骨及び関節などの運動機能障害・打撲・外傷性の後療法・切り傷・手術後の療養などの効能があります。
また、飲用もでき、胃弱・便秘症・胃酸過多・胃炎などの効能が期待できます。宿によっては、異なる泉質・効能を持つ自家源泉を持ちます。
山あいを富士川の支流である下部川が流れ、その川沿いにひっそりと静かに宿が立ち並びます。
温泉街から階段を登っていくと、承和3年(886年)に創られた「熊野神社」があります。
桃山時代初期の神社建築様式が取り入れられており、その時代の建築文化を物語る貴重な遺構を見ることができます。
怪我や病気の回復祈願、治癒の感謝の意を捧げにお参りしたり、豊かな自然を散策したり、心穏やかな時を過ごせるのが下部温泉の魅力です。
<温泉地詳細>
・温泉名:下部温泉(下部温泉駅)
・住所:山梨県南巨摩郡身延町上之平
・アクセス:
(東京方面から)「新宿駅」からJR中央本線の特急に約90分乗車「甲府駅」で身延(みのぶ)線の特急に乗り換え約40分で「下部温泉駅」着。その後、温泉街の中心まで徒歩約20分。
(名古屋・大阪方面から)新幹線で「静岡駅」へ。その後、身延線の特急に約80分乗車し「下部温泉駅」着。その後、温泉街の中心まで徒歩約20分。
※下部温泉駅から宿へは、宿の送迎バスをご利用いただける場合があります。
石原裕次郎さんが1ヶ月半も滞在した「下部ホテル」
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石原裕次郎さんが滞在したのは、下部温泉で一番の規模を誇る「下部ホテル」です。昭和4年(1929年)に創業された宿で、当初は木造2階建て、25室のみでした。
その後、陸軍病院の臨時転地療養所として徴用された時代を経て、戦後は、増改築工事を数回行い、本館と別館和風館で90室を超える下部温泉で最大規模のホテルになっています。
創業時の建物は、今も別館和風館(全7室)として現存しています。良質な建築資材を利用した建物であるため、それを見る目的で全国各地から足を運ぶ方もいます。
石原裕次郎さんが療養したのは別館和風館「裕林亭」
石原裕次郎さんが約1ヶ月半滞在したのは、創業時の建築である別館和風館「裕林亭」。
裕次郎さんが自ら命名した「裕林の間」をはじめ、7部屋あります。
現在も宿泊利用ができるので、裕次郎さんと同じ部屋に泊まり、同じ気分に浸れるという特別な時間が過ごせます。
「裕林の間」は、10畳と6畳の部屋にバス・トイレ付きのお部屋です。
石原裕次郎さんの直筆や写真が並ぶ「裕次郎ギャラリー」
大スターでありながら、気さくな石原裕次郎さんは、裕次郎さん主演の「嵐を呼ぶ男」などの映画フィルムと映写機を取り寄せ、本人自らの解説を混じえた上映会を開催してくれたそうです。その日の宿泊客や従業員は羨ましい限りです。
一緒に映画鑑賞とまではいきませんが、本館1階の「裕次郎ギャラリー」には、裕次郎さん直筆や写真などをたくさん展示してあるので、裕次郎さんの滞在の様子を垣間見ることができます。
石原裕次郎の怪我を癒した湯を12の湯舟で楽しむ「温泉」
一万坪という広さの自然林に佇む「下部ホテル」では、引き湯の下部温泉共同泉のアルカリ単純泉と庭園内に湧出する自家源泉の単純硫黄泉との異なる2つの源泉を楽しめます。
単純硫黄泉の特徴的な効能は、慢性皮膚病、切り傷、糖尿病、慢性婦人病などです。
「下部ホテル」では、石原裕次郎さんの怪我を癒したその効能を、7つの露天風呂を含む大浴場の12の湯舟で堪能できます。温泉は日帰り利用も可能です。
大浴場「松ぼっくりの湯」・「ほたるの湯」
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まさに温泉というイメージにぴったりの硫黄のかおりが漂う内湯は、とろりとした肌ざわりで美肌にも良いとされる単純硫黄泉です。
美しい自然を眺めながらゆったりとくつろげる露天風呂では、檜(ひのき)や岩風呂などでアルカリ性単純泉を湯浴みできます。
貸切風呂「竹とんぼの湯」
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貸切風呂は、30名ほどもの人が浸かれるほどの広さの湯舟です。
石原裕次郎さんもこの開放感の中、リラックスして怪我の治療に専念できたのではないでしょうか?
バリアフリー対応なので、足の不自由な方も安心して利用できます。
足湯
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庭園を眺めながら足湯に浸かり、同行者と語らったり、読書したりしてのんびり過ごす至福の時が過ごせます。
下部の飲泉が味わえる「水のラウンジ」
先ほどご紹介したように、下部温泉の温泉は飲泉利用も可能です。
「下部ホテル」の「水のラウンジ」では無料で効能豊かな温泉を飲用できます。
石原裕次郎さんも堪能した山梨の旬の食材を使ったこだわりの料理
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「下部ホテル」では、戸川(とがわ)渓谷の川魚や採れたて野菜・果物など、地元山梨の旬の食材にこだわった体に優しい料理が味わえます。
夕食は、それぞれ異なる食事処「里のいろり創作会席」・「山のかまどバイキング」・「創作中華コース料理」の3つのパターンから選べます。
石原裕次郎さんも、バラエティ豊かで味わい深い料理に舌鼓を打ったことでしょう。
本格的な信玄出陣太鼓ショーに石原裕次郎さんも感動したかも
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「下部ホテル」の魅力の一つとなっているのが、毎晩ロビーで開催される信玄出陣太鼓ショーです。
下部ホテルスタッフによるショーなのですが、これが侮るなかれ。本格的で素晴らしいと評判です。
太鼓ショーの後は、餅をつき、ついたお餅は朝食の際にお雑煮として振る舞われます。
※コロナ禍でない通常時は、餅つき体験も行え、つきたての餅が味わえます。
「下部ホテル」詳細情報
・住所:山梨県南巨摩郡身延町上の平1900
・電話番号:0556-36-0311
・日帰り営業時間:11:00~15:00 ※無料休憩室:10:00~15:00
・日帰り定休日:なし
・日帰り温泉利用料:大人1,200円 、小人600円
・宿泊料:(1泊2食付き、2名利用時1名)大人16,500円 、小人600円