意外と知られていない!「天然温泉」と「源泉かけ流し」の違いとは
自然を感じながらゆったりと広い湯船に浸かる…温泉好きにはたまらないひと時ですよね。温泉好きの方は「天然温泉」や「源泉かけ流し」を好んで選ばれているのではないでしょうか。温泉施設などでは温泉をアピールするために良く使われている言葉ですが、普段何気なく見聞きしていても、いざ「天然温泉と源泉かけ流しの違いは?」と聞かれると意外に答えられないものです。今回はより温泉の理解を深めるために「天然温泉」と「源泉かけ流し」の違いについて学んでいきましょう。
目次
そもそも温泉には規定がない!お湯の管理は温泉それぞれ
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「温泉」は環境省が制定する温泉法で定義されています。
地中から湧き出す水が25℃以上であれば温泉になります。25℃未満でも温泉と定義できる一定の物質が含まれていると温泉と呼ぶことができるのです。
定義は上記のみで、泉質や効能など細かい規定はありません。
一口に温泉と言っても、お湯は管理者任せになっているというのが実態です。
では、「天然温泉」と「源泉かけ流し」の定義はどうなっているのか。具体的に事項から説明していきます。
「天然温泉」の定義とは
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「天然温泉」とは温泉法の規定を満たす温水や鉱水を指します。
すなわち地中から湧き出していて、温泉法で定められた温度や成分含有量など条件を満たしたものだけが「天然温泉」と謳えるのです。
一方、温水に厚生労働省が承認した天然鉱物由来の薬剤など温泉成分を加えたものは「人工温泉」と分類されます。
天然温泉を謳うには「天然温泉表示看板」が必要!
天然温泉を謳うには天然温泉表示看板を掲示する義務があります。天然温泉と人工温泉の違いをはっきりと区分するために、日本温泉協会が天然温泉表示制度を作りました。そして、浴槽毎に審査を行い天然温泉の証として発行したのが「天然温泉表示看板」です。
利用した温泉施設が天然温泉かどうかを知るには天然温泉表示看板を見てみましょう。「利用源泉に関する情報」や「浴槽の温泉利用に関する情報」が表示されているので、浴室にこの看板があると安心して天然温泉を楽しむことができます。
「天然温泉マーク」をチェック!
天然温泉は泉質や成分、効能、入浴時の注意事項などを表示しなければなりません。また、加水や加温など管理方法も記載されています。天然温泉を利用する場合は浴室などに「天然温泉マーク」が掲示してあるのでチェックしておきましょう。
正方形の中に4本の湯気が立ち上るようなデザインになっており、温泉の地図記号にも似ています。これは1976年に日本温泉協会が制定したマークで、どの温泉施設でも同じマークになっています。
循環式の天然温泉もあり!
天然温泉といっても湧き出す温度や湯量はさまざまです。入浴に適した温度にするために加水や加温など温度調整することもあります。お湯の量が少ない場合には、新しいお湯を加えながら浴槽のお湯を循環させることもあります。
このように循環式の場合でも天然温泉を謳うことができるのです。ただし、循環式の場合には循環の過程で濾過や消毒を行うため、源泉が持つ本来に効能が薄れることがあるかもしれません。循環式かどうかは、天然温泉表示看板で確認することができます。
「源泉掛け流し」の定義とは
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「源泉かけ流し」は温泉好きには大変魅力的な温泉です。ではどのような温泉を「源泉掛け流し」と呼んでいるのでしょうか。
浴槽に新しい源泉だけを入れて、循環させたお湯は使わないというのが一般的な「源泉掛け流し」の条件です。「源泉掛け流し」の中でもより源泉に近い状態で利用する「源泉100%掛け流し」という最上級の温泉もあります。
ここでは「源泉掛け流し」についての定義や「源泉100%掛け流し」との違いなどをご紹介します。
「源泉掛け流し」は循環させない温泉のこと
「源泉掛け流し」は循環させない温泉のことで、温泉の魅力の一つです。常に新しい源泉を入れながら浴槽を溢れさせ、溢れたお湯は再利用しないのが原則です。
また、源泉をそのまま利用するため加水したり加温したりすることも禁じられています。ただし、源泉の成分変化が少ないことを条件に加水・加温が認められることもあります。その場合は「天然温泉表示看板」に加水または加温の状況と理由を表示することが義務付けられています。
「源泉掛け流し」と「源泉100%掛け流し」の違いとは?
「源泉掛け流し」や「源泉100%掛け流し」は循環したお湯を再利用することを禁じられています。浴槽に注がれているのは新しいお湯だけです。常に新しいお湯が注がれ続けているのでお湯は浴槽から溢れています。これが「源泉掛け流し」の醍醐味ですね。
「源泉掛け流し」は成分変化が少ない範囲で加水や加温が認められていますが、「源泉100%掛け流し」は加水も加温もどちらも認められていません。「源泉掛け流し」と「源泉100%掛け流し」の違いは、浴槽で温泉の使い方によるものです。
源泉100%掛け流しにも温度調整あり?
「源泉100%掛け流し」はご紹介したように、加水・加温のどちらもしていないことが一般的です。
しかし、温泉によっては加温していても「源泉100%掛け流し」と呼ぶこともあります。加温と言っても「沸かし」ではありません。高温の温泉が湧いている場合には一旦お湯を溜めて入浴の適温になるのを待ったり、源泉をパイプで水の中を通すなどして入浴に適した温度になるまで源泉の温度を下げることがあります。加水・加温をしないで温度調整することは「源泉100%掛け流し」として認められているのです。